直子の部屋

笑ったり泣いたり踊ったり暴れたり推し事したり。

読書感想

静岡・入道館 その3 昭和初期の静岡寄席興行

かつて静岡市内にあった「入道館」での寄席興行のエピソードを六代目三遊亭圓生『寄席切絵図』の中からご紹介。今回は関東大震災を経て昭和に入った頃の静岡興行の話。前回の大正10年の話もよろしければお読みください。 entsunagi705.hatenablog.com 昭和初…

寄席・落語家の100年を知る推薦図書?(個人比)

今回は寄席・落語家の100年資料といえる書籍感想つれづれ。 橘左近『東都噺家系図』 前回六代目圓生若手時代の静岡興行に触れた。entsunagi705.hatenablog.com 一座の多くは当時の若手だからか詳細不明。四代目橘家圓蔵の一門について調べたく橘左近著『東都…

静岡・入道館 その2 大正時代の静岡寄席興行 

先日紹介したかつて静岡にあった寄席「入道館」のお話をまた。 entsunagi705.hatenablog.com 四代目橘家圓蔵が静岡・浜松によく行ったことから弟子の六代目圓生も若い頃一緒によく行ったそうで昭和初期まで静岡の七間町にあった寄席「入道館」へも大正時代か…

『東京人』+『寄席切絵図』=落語界今昔100年

静岡の寄席話からちょっと脱線して午前中に圓生師匠の『寄席切絵図』の神田の項を読む。東京の「入道館」のことが書かれていたからだ。 entsunagi705.hatenablog.com 神田には白梅亭、立花亭という有名な寄席があったとか。噺家が団体を結する前からの話が書…

圓生が興行していた静岡の寄席「入道館」

久しぶりに静岡の寄席話を。 六代目三遊亭圓生師匠が残している本には寄席や寄席の楽屋話の記憶を残そうという趣向のものがあり生の高座へ足を運ぶのとは別に個人的に大変好み。 その中で先日から時々名前を出していた『寄席切絵図』に静岡の寄席や興行をし…

林家彦いち『楽写』楽屋語録と『楽屋顔』 寄席の見えないルーティン

先日 林家彦いち師匠の『楽屋顔』を改めて手にして感触を確かめたくて元になった単行本『楽写』入手。 楽写 文・写真 林家彦いち(小学館) 写真は映した紙の手触りや大きさで印象が変わる。 画像も何で見るかによって印象が変わるけれど紙を再現することは…

楽屋顔の正楽師匠

なぜか定期的に見る過去の深夜枠落語番組「落語者」 まだ生の落語を追いかける前に放送されていた番組ですが今でも人気の師匠達の落語とトークがあって何度見ても楽しめます。 林家彦いち師匠の回を見ると毎度手にするのが『楽屋顔』 師匠が楽屋で撮った噺家…

100年前に落語協会設立した 五代目 柳亭左楽師匠に興味を持つ

落語協会誕生100年までまもなく。 残念ながら裁判に発展してしまったトラブルを見てこのタイミングで分裂するような動きがを心配していたのだけれど実はこういうことが落語の世界では初めてではないことは知っている。 100年前、東京の落語界にはいくつか団…

「落語の世界」を読んで笑うも落ち着かず

今日もパワハラ裁判の言葉に躓いているので現代から目をそらすことにしてみた。 昨年自由研究をしていた三遊亭圓朝も騒動を起こしたことがある。それがきっかけで東京の寄席から降りたのだが、その時も騒動に発展した原因は弟子たちが秘密裏に進められなかっ…

増田太次郎『引札繪ビラ風俗史』から

最近読んだ本の巻末で興味を持った本を読んでいる。 2冊あって両方とも青蛙房さんの本。 今日はそのうち一冊から。 引札絵ビラ風俗史 (青蛙選書) タイトルに惹かれた通り、頭から30ページでもう楽しい。 「引札」とは今でいうチラシ(配る広告)、「繪(絵)…

1月スケジュール更新&つれづれ

クリスマスが終わってしまいました。 東京かわら版の表紙をサンタ姿で飾った兼好師匠。クリスマスイブも反抗マクラで笑わせてくださった。ようやくサンタから解放されたとホッとされていることでしょう。 本日、東京かわら版1月号到着。新年号の表紙は人間国…

東京かわら版 12月号 巻頭インタビューも読了。

ようやく12月号の巻頭インタビューを読みました。 二週間よく堪えました。 entsunagi705.hatenablog.com インタビューの中で「声」「リズムやテンポ」の話題がありました。 思い浮かぶのは2008年9月号の巻頭インタビュー。兼好師匠の真打昇進の時のものです…

聴いてみたい圓生師匠の「鼻きき源兵衛」

最近手にした本 三遊亭圓生師匠の「江戸散歩(上)」は日本橋から始まります。 江戸散歩 (上) (P+D BOOKS) 日本橋の白木屋の前で思い出した、と 「鼻きき源兵衛」 という噺しを圓生師匠が書いています。 聞書き様に書かれており江戸散歩と称して語る本とあっ…

落語小僧の大須地図 席亭志願再々 補完

先日は「兼好集」という落語会へ行ってきました。 以前紹介した本「席亭志願」に登場されているKさん主催の会です。 entsunagi705.hatenablog.com コロナのソーシャルディスタンス型で始めた会は助演も入って兼好師匠も3席という贅沢さなのにはじめた頃のま…

柳家つばめ「落語の世界」 入門体験してるみたいに楽しい

寒い休日で夕方まで家で演芸三昧。 リアタイでラジオ、聴き逃しで更に2本、読書、にテレビと落語会に出かけずとも最近日曜日は楽しみが多い。 聴き逃しが出来てからまとめて楽しめるようになってお籠りも過ごし方が変わりました。 テレビで明るく笑点ラジオ…

東京かわら版 12月号 もう読み切りそう

昨日から待ちかねた東京かわら版が届きました♪ 昨日はサンタ姿の兼好師匠を画像で見ただけで飛んで喜びましたが実物の表紙!なんだこれは!(笑) 新刊新書『お二階へご案内~2』に続いて「今月のインタビュー」冒頭写真もズルかわいい演出! 東京かわら版さ…

三遊亭兼好・著『お二階へご案内〜虎の巻 再考!』読んでみた

東京かわら版新書 第7弾『お二階へご案内〜 虎の巻 再考! 事実は小説より "悲" なり』 演芸好きにはお馴染みの東京かわら版にて毎月連載されている三遊亭兼好師匠のエッセイ本第2弾。 kawaraban.theshop.jp 前回は、エッセイの中でネタにされ続けたおかみさ…

彦六の正蔵師匠

今日は時代に逆行した読書感想文。 読みかけの本を久しぶりに手にすると、林家木久翁師匠がよく物真似される八代目 林家正蔵師匠(彦六の正蔵)の話が出てきた。 参考:聞書き・寄席末広亭―席主北村銀太郎述 (平凡社ライブラリー) P134-137 彦六師匠が「林家…