直子の部屋

笑ったり泣いたり踊ったり暴れたり。

柳家つばめ「落語の世界」 入門体験してるみたいに楽しい

寒い休日で夕方まで家で演芸三昧。

 

リアタイでラジオ、聴き逃しで更に2本、読書、にテレビと
落語会に出かけずとも最近日曜日は楽しみが多い。

聴き逃しが出来てからまとめて楽しめるようになって
お籠りも過ごし方が変わりました。

 

テレビで明るく笑点
ラジオで若手の落語
ちびちび落語に纏わる本を読んで
ニヤニヤする週末。

 

ラジオの高座だけでも今日は一之輔師匠、円丈師匠、鈴々舎美馬さん、三遊亭らっ好さん、橘家文吾さん、三遊亭兼太郎さんと6席も聞いてました。
トークやエピソードもあって落語会では聴けないのでおススメします。

 

とはいえ家で楽しむ演芸はあくまで生活の中の演芸で
生の落語を聴いている時とまるで違って面白い。

 

 

本の感想を書いてみたら文調が変わってしまいました。
いつもこれに苦労するのですが人格入れ替わっているのだと思います。ご容赦を。
ーーー

 

日が短く寒さが厳しくなる陰の季節
今日の寒さに読書は良い時間だった。

落語の世界 (河出文庫)

 落語の世界 (河出文庫) 

 

 

五代目 柳家つばめ「落語の世界」


目次を見て驚いて
本文で落語が面白くて仕方ないのに
説明できなかったことがわかりやすく説明されている。

 

つばめ師匠は柳家権太楼師匠の最初の師匠で
権太楼師匠が師匠選びで談志師匠とどちらにしようか迷った人だ。

 

権太楼師匠の本で知った時は
談志師匠とまるで違う人らしいという印象だった

 

読んでみると実際そうなのだけれど
読み始めからつばめ師匠の印象が変わった。
思っていたよりもかなり飛んでる人だと思う。
こういうことを書こうという発想が芸人さんだ。

まるで違うはずの談志師匠が言っていることと
どこか重なっているし
権太楼師匠の師匠というのもとてもよくわかる。

 

それでもつばめ師匠が
芸人でいて学者肌で、大卒第一号で元教師
という経歴だったおかげで生まれた一冊だと思う。

とにかくわかりやすい。
整理されているのに面白い。

 

落語家がどんなことを身に着けていくのかとか
寄席で楽屋で稽古で
どんな立ち居振る舞いや気づかいをするのか

今だと楽屋の様子をYouTubeで配信したり
インタビューで解き明かすなんてものに少し近いけれど
主観と客観両方の目線で実況するような文章が
楽屋の様子をより手元まで見せてくれるようで
横にいて体験させてくれているよう。

「落語の世界」という本だからといって
この本を読んで勉強しておかなければならない、
なんということはない。

けれど人を楽しませるために
どれだけ手がかかっているかわかる。

主張したら野暮、だけれど大事な話を
さりげなく楽しく。

大胆に踏み込んでいる生々しさは
少し前の時代の話として距離を置いて感じられる。

 

今日読んだ中では稽古の話がとても好きで
前から知っていることを差し引いても
客で見ているこちらにも「落語の世界」は通じている気がした。

 

エピソードとして楽しい発見だったのは
兼好師匠が稽古で落語を聴いている時にしていると聞いたことがあるしぐさを
圓生師匠もしていたらしいこと。

しぐさが同じなだけなのか目的も同じなのか
わからないから可笑しい。

 

つばめ師匠の噺の稽古話は登場する師匠方も豪華だけれど
稽古の一部始終をドラマで見ている様で引き込まれる。

 

東京かわら版でも50年前の写真やインタビューを読んだばかりだけれど
つばめ師匠が46歳で早世されて来年で50年なんだとか。

 

講談社の元本が出版されたのは1967年
50年以上前には感じないぐらい
師匠が書き残した落語の世界は面白くて
落語が好きな人には古さを感じないのではないだろうか。

 

思い切り落語を聴きに出かけるのと
じっくり本を読むのがなかなか両立できないけれど
個人的には何度も読みたい一冊。

また寒い日に籠って読もう。