直子の部屋

笑ったり泣いたり踊ったり暴れたり推し事したり。

7/9 新宿末広亭 昼の部 桂歌丸七回忌追悼公演へ

末広亭七月上席の昼は桂歌丸七回忌追悼公演。

推しの兼好師匠も出る日があって1階席をぴあで前売すると聞いて行ってきました。

7月上席 昼の部 九日目
桂歌丸七回忌追悼公演

番組:

開口一番 まんじゅうこわい 南海
真田小僧 春風亭昇市
のめる 柳亭小痴楽
太神楽曲芸    丸一 小助・小時
粗忽長屋 三遊亭兼好
転失気 春風亭柏枝
曲独楽    やなぎ南玉
後生鰻 三遊亭圓丸
無学者?やかん? 春風亭柳橋
ボーイズ    東京ボーイズ
壺算 桂歌若
やさしい言葉 三遊亭好楽
-お仲入り-
七回忌 追悼座談 好楽 歌春 歌若 歌蔵
動物ものまね    江戸家まねき猫
看板の一 桂歌春
ん廻し 桂小南
俗曲 桂小すみ
中村仲蔵 桂歌蔵

寄席はふらっと行くのが粋だとはいうものの、寄席育ちではない落語好き。
推しが入っているから寄席に行こうか、せっかく行くから寄席がある街も楽しもうかという方です。推しが出て、歌丸師匠追悼、新宿末広亭が揃う上にこの暑さに行列せずに前売でチケットを手に入れられるとはありがてえ!と見たい師匠方が揃う九日目を選びました。

終始楽しい良い時間でした。ケラケラと笑っていたのは覚えているのに、ホール落語と違って時間が長いので演目が思い出せない時間が。仲入りあたりでメモすればよかった。思い出そうとすると余計に出てこない。

帰宅後にパズルを解くように書き出すのも楽しみなのですが。。忘れた頃に思い出したら自分のために更新するつもりです(笑)

 

昇市さん明るい真田小僧。真逆の真田小僧を動画で見たばかりで和む。

小痴楽師匠は歌丸師匠との思い出を寝坊癖に交えてのめる。NHKラジオ「小痴楽の楽屋ぞめき」で聴いたエピソードの続きのようで楽しかった。

太神楽は小時さんの着実な五階茶碗に小助さんの掛け声がほのぼの楽しい。変わって小助さんの曲撥は掛け声と様子が変わって華やかなばちの軌道が綺麗で見入ってしまった。

兼好師匠は粗忽長屋小三治歌丸で回った九州の旅で大寝坊して歌丸師匠に直に起こされるまで寝たままだった小痴楽師匠の話が行き倒れにされてて笑う。

柏枝師匠も前座時代に歌丸師匠に付いた思い出をまくらに。柏枝師匠はとあるイベントでの思い出があって高座は久しぶり。わ~っと思い出の方にひっぱられてしまった。

久しぶりの南玉先生!間近でうれしい。開いた扇子の上で独楽が回る地紙止め、七尺の刀の刃を風鈴のような涼しげな色の独楽が渡る刃渡り、糸の上を独楽が渡る糸渡りは先生が大好きなえびとたまごの寿司が塗の器に見える独楽と一緒に回る趣向。曲独楽の独楽に付ける房の代わりにいろんなものをつける方がいるのが楽しみなのだけれど、品のある所作と顔つきでお寿司を回すなんておじいさま先生に許されるあざと可愛らしい技かもしれない。

圓丸師匠は歌丸師匠から教わったと後生鰻。歌丸師匠の滑稽話に時々ある、今だとギリギリの表現だけど男性からはそう見えるのかもねという台詞がスパイスだった。

柳橋師匠がくじらのくだりをやってくれた!個人的にはサバが好き(笑)やかんが出てくる手前でおわったけれど、ベテラン師匠のこういうネタが聴けるのが寄席楽しい。

東京ボーイズ先生を最前列かぶりつき席で見るとこんなに迫力が可笑しいとは知らなかった。舞台から見おろされるボーイズ新体験。楽しい。菅六郎先生のボケに被せる仲 八郎先生。音楽漫談なのに時々テンポやハモリが怪しいくてクスクスさせられてしまう。

歌若師匠の壺算は初耳の展開、初めて聴くサゲ。壺算はバリエーションがたくさんあるのかもしれない。

仲入りは好楽師匠。歌丸師匠の追悼なのに兄弟子の柳朝師匠や古巣の落語協会の師匠方の思い出話が続いて師匠には垣根がない。以前されたお怪我のせいかと思った釈台で文枝師匠の優しい言葉へ入られてガッツポーズ。こちらは王楽師匠のYouTubeでの文枝師匠と好楽師匠の会話の続きを見るようだった。追悼だから定番の胡椒の悔やみをするのかなぁと思っていたのは内緒。

桂歌丸七回忌 追悼座談では、好楽師匠が歌丸師匠から直に聞いた初講座をした場所の話が。上中里の神社だったそうだ。歌丸師匠が粗末なワリの袋にたんまり祝儀を入れてくださって格好良かったというエピソードも。総領弟子の歌春師匠が新紙幣で楽屋を喜ばせた好楽師匠だって格好いいと持ち上げ盛り上がったけれど、好楽師匠の気遣いは先輩師匠方が格好良い所を見せてくれた恩送りなんだなあと思ったり。本に書かれているエピソードでも、直にご本人から聴けるならその方がいい。

江戸家まねき猫先生も歌丸師匠との思い出話を。リフォーム前の大須演芸場の楽屋で雨が降るような雨漏りに傘をさしていた歌丸師匠。どこまで本当かわからないけれど、想像すると楽しんでいただろう師匠が思い浮かんでこちらも楽しい。
御本名が歌丸師匠のおかみさんと同じという話から出た「世界三大フジコ」に笑った。
山本富士子峰不二子、椎名冨士子・・・落語好きでもわかるとは限らない)

歌春師匠の看板の一は多分初めて。変わらず朗らか。「博打の親分」に対していないだろうと挙げていた「女郎買いの親分」が可笑しい。今まで歌丸師匠の総領弟子だと意識したことはなかった。

小南師匠も久しぶりに拝見。渋声のクセ強。こういう師匠が登場する寄席の凄さ。師匠のん廻しは展開が新鮮。知らない「ん」がたくさん出てきた。なぜか手品が混じっていて面白いと思っていたら、サゲにも入ってた。

小すみさん。本日は個性よりヒザの俗曲。種づくし、さのさ、さつまさと聴き入る。まだお囃子をされていた時代にいろんな方の出囃子を聴かせてくださったのを思い出す。さつまさは春風亭一之輔師匠の出囃子でお馴染みではあるけれど「出囃子でない方」に興味を持つことも多いので、こうやって曲や歌の説明付きで聴かせてもらえるのはうれしい。
そういえば、座談会で小すみさんを芸人に誘った玉川スミ師匠のエピソードも出ていたな。

主任は歌蔵師匠。きっちり高座を拝見するのは初めてだと思う。歌丸師匠は国立演芸場の4月と8月に主任をされていたという話から8月の圓朝物に対して4月の人情噺を意識して中村仲蔵を。歌丸師匠の仲蔵を聴いたことはないけれど、お芝居で熱心に勉強されていた印象がある歌丸師匠を思いだす。歌蔵師匠の仲蔵、歌丸師匠がお好きな仲蔵の形なのではないかと思わせる高座でした。

落語のことはブログに書くには追いつかなくて書きかけて出さずじまいになりやすい。けれど楽しい思い出は書き留めておきたい。楽しい会ほど長くなってまとまらないのがジレンマです。

f:id:entsunagi705:20240709230119j:image

寄席に行く機会は多くないのですが、行ったら先の番組表をもらいます。
推し情報のチェックもあるのですが、寄席のチラシや番組表はサイズも雰囲気も好きで楽しみのひとつ。ネット情報にない発見もうれしいものです。

今回は推し師匠も出演する7月31日の余一会の番組や8月の情報もありました。

f:id:entsunagi705:20240709231706j:image

f:id:entsunagi705:20240709231711j:image

お目当ては小痴楽師匠というお隣さんとちょっと話したり、帰りに売店の前に立つ好楽師匠を見つけたり、高座の他の寄席の楽しみも味わって末広亭を出ました。

f:id:entsunagi705:20240710023350j:image

行きは慌ててよく見ていませんでしたが、帰りに忘れず推し師匠のまねき(招き看板)も確認できて満足満足。定席はたまの出演ですが、兼好師匠が行く先の高座でまだ知らない共演師匠方に遭遇して、狙わずもまたどこかで遭遇できるのが楽しみになる好循環。落語ライフは飽きません。

昼の部へ行くとなると気持ち時間に余裕がなくなってしまうのですが、次は好きな桟敷でのんびりするか、番組表に載っているお店あたりで腹ごしらえして寄席に行きたいところです。

 

7/15 追記

開口一番の南海さんはまんじゅうこわいを持ち時間4分で切り上げ、 柏枝師匠は小僧さんが大人って!と憤慨する転失気でした。ようやくスッキリ。