直子の部屋

笑ったり泣いたり踊ったり暴れたり推し事したり。

別世界の人が客席で携帯電話を鳴らす(1)

今にに始まったことではないのですが
最近続けて落語会で携帯が鳴った話が耳に入りました。

 

客席側の証言(お怒り?)だけでなく
演者さんも気にされたことが伝わる発信を見ると
「鳴らす人ってどんな人なんだろう」と思います。

 

そういう私も鳴らしたことがないわけではないです。

開演直前に携帯を切っておこうという時に
連れてきた友人に話しかけられたとか

途中で切り忘れたことに気づいて
うつむいてバッグを漁って音を立てたくもなくて
一席終わるまで心臓バクバクさせたこともあります。

 

普段から荷物も多いし慌てる方なので
ある時から開演前のルーティーンを決めました。

荷物が多い時やコートがある時は
ある程度身支度をしてから席に向かうようにして

落ち着いて携帯をOFFを確認して
眼鏡をかけ替えて
開演前二番太鼓に乗って調子を合わせて
余計なことをしない時間を作るようにしました。

毎回完璧とはいきませんが
遅れたら客席に飛び込むのは止めました。

 

幕が開くギリギリまで何かしている人はたくさんいます。
スマホの明かりが消えない人もよく見ます。

それ自体は特に問題ないと思います。
落語の間に鳴らなければいいんですから。

 

携帯が鳴った時の対処は
落語会に行くようになってからずっと
あらゆる角度で考えます。
とにかく自分の機嫌に関わる重大リスクなんで。

 

以前はどちらかというと
鳴ってまずイライラして怒り心頭、
犯人捜しモードに全集中してしまってました。

高座の落語家さんが気にせず続けてくれても
あまりの状況だと苦言も笑いに変えてくれても
さすがだと感心しながらも
気を取られて落語に集中できない。

それをどうしようも出来なくて
さらに不快で怒ってしまって
終わって帰る間も
布団に入ってもイライラが止まらない時期もありました。

 

こういうものは
自分のコンディションに依る所も大きいのですが

他のストレスと相まって
鳴らした人は許さない気持ちになり

仕事で疲れて楽しみで行っているのにと
聞こえる音に敏感な自分が嫌になってました。

 

歌丸師匠が亡くなられて少し過ぎた頃、
横浜にぎわい座の落語会に行った時に
携帯電話が鳴りました。
たしか一度でなく二度は鳴りました。

記憶が定かではないのですが
演者さんがいなしてくれたのか
幽霊の噺だったのか

歌丸師匠が遊びに来てるのかも」
「(先代の)圓楽師匠も連れてきた?」と

ちょっと楽しい妄想で不快を回避できたのです。

 

それからそう思うようにすると
鳴ってイライラすることが減りました。

 

縁がある演者さんなら談志師匠かも、とか
命日だと聞けば圓朝師匠?圓生師匠?
ご一門の先人集合か?

鬼籍の師匠方が集まって
客席の上空にいる様子が思い浮かんで

「野次の代わりに鳴らしてる!」

と思うと不思議と面白くなって
しばらくその手で切り抜けました。


もちろんイライラしてしまって
落語が全然入ってこなくて損した!
と思う時もありますが、かなり良い手でした。

 

それがコロナ禍が過ぎた後、

落語会に再び行けるようになって
席の感覚を開ける必要がなくなって
人気の会で客席いっぱいの会でも
隣りの席が一席空いていることが度々あるのです。

 

あまりにも続いて不思議でふと

 

これはもしや
鬼籍の師匠が座っていらっしゃるのかも?

 

でなければこんなに毎回
隣が1席だけ空いたりしないよね?

 

客席の上で野次を飛ばすのも疲れたしと
「となりに来ていらっしゃる」に違いない


ということにしています。

 

携帯が鳴ってしまうこと自体は
悪意を持ってやっていることではないのに

体の危機管理で感情が立って
殺意に近い気持ちが湧いてしまったり

隣りの空席に向かって
歌丸師匠、今日の高座はいかがですか?」
なんて一人で想像して楽しんでいたり

 

どっちも考えてみたらすごく怖いんですけど
落語を聴く場では機嫌よく過ごしたいんで
鳴らしてしまった方は
できるだけ早く対処していただきたいし
できれば驚かさないで欲しいものです。

 

書いてみたら長くなってしまったので
私が知っている?もう一つの
携帯電話を鳴らす、別世界の人の話
次また書いてみようと思います。

 

今日のおまけ

 

驚かさないで欲しい、と書いたら

志ん生師匠の

「なぜに亭主を脅かす?」ってフレーズを思い出しました。

YouTube版には入ってませんでしたが、
カラーの志ん生師匠に今年は驚きました。

【カラーで蘇(よみがえ)る古今亭志ん生】最新のAIを用いて「落語の神様」をカラー化 | NHK - YouTube

youtu.be