直子の部屋

笑ったり泣いたり踊ったり暴れたり。

巴水のサンタから高橋お伝で転宅聴きたくなった話

昨日はしゃいで飾り付けたクリスマスコーナーですが
やはり東京かわら版12月号はまだ手に取るので
サンタクロースのポストカードに差し替えました。

 

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entsunagi705.hatenablog.com

兼好師匠のサンタと並べたもう一人のサンタは
「雪庭のサンタクロース」と呼ばれる川瀬巴水の作品です。

 

普段着物姿の師匠がサンタ姿
日本庭園にミスマッチなサンタクロースの取り合わせで
雪景色の庭園にいるサンタさんが背負う袋には
ぎっしり師匠の新刊が詰まっているように見えてきます。

 

 

以前から川瀬巴水は好きな絵師なのですが
数年前に見に行った展覧会で知った
三遊亭圓生師匠とのエピソードでますます関心を持った人です。

 

巴水は風景画で大成した方ですが
師匠は鏑木清方三遊亭円朝像を描いたことでも知られる人です。

清方の父親は条野採菊(山々亭有人)。
圓朝師匠が口演速記を連載した「やまと新聞」を創刊した人物です。

父親との縁で自宅にやってくることもあった圓朝
その関係性から清方は三遊亭円朝像を描くに至ります。

 

巴水のサンタを飾ったので巴水のことも確認してみると
母方の伯父が仮名垣魯文でした。

三遊亭圓朝がやまと新聞に初めて口演速記の連載を載せた明治19年
落語「転宅」で名前が登場する 高橋お伝 を実話小説『高橋阿伝夜刃譚』として刊行した人物です。

以前は圓朝師匠の口演速記本や新聞連載について
知識が乏しかったこともあって気づかず
圓朝、採菊とも縁がある魯文、
魯文の甥の川瀬巴水もまた圓朝と重なる時代を生きていて
その後は圓生師匠とも交流があることを知って驚きました。

美人画ではなく風景画に進んだ巴水は
明治時代に衰退した浮世絵を復興させるために
日本中、時には大陸へも旅して精細なスケッチを取り
「新版画」で旅の風景を作品にして版画の表現を広げた人です。

私が生まれ育った静岡の風景も作品になっています。
落語の動的な景色とはまた違う
静かな景色の印象を与えてくれる作風ですが
夜の暗さは今よりずっと違い
日常ののどかさを教えてくれる作家です。

 

国立国会図書館のNDLイメージバンクに
多くの浮世絵と共に川瀬巴水の作品も公開されていますので
ぜひのぞいてみてください。

rnavi.ndl.go.jp

 

巴水と圓生師匠との交流は手紙などが発見されたそうですが
まだこの数年と最近の事。

圓朝も幽霊画をはじめとして絵師との縁が見つかる方ですが
絵を描く人と落語家のご縁にも興味があったことを思い出しました。

 

サンタクロースを並べて飾ったところから
落語まわりの自由研究が見つかりました。
これも思いがけないプレゼントでしょうか?

 

まずは巴水と圓生師匠のエピソードをもう一度チェックして
高橋お伝の小説をチラッと読んで
どなたかの「転宅」も聴きたいと思います。