直子の部屋

笑ったり泣いたり踊ったり暴れたり推し事したり。

お腹がキュッとならない落語会って(1)

三が日の楽しい初席の思い出を書こうかな~と思ったところに
落語に行ってお腹がキュッとなる夜が来たので
落ち着くために一旦書いてみようと思います。

言わぬが仏か言うのが愛か・・・と迷う脳内小言が噴き出すと
落語も面白くなくなって素直に聴けなくなってしまうので
自分の部屋で書き出して発散しようということで、
実際は考えすぎ氣にしすぎと言われることもあるし
全然気にせず過ごせる人も多いとは思うけど
部屋で独り言で言うだけだから ま、お許しいただきたい。

元から話がまとまらないところに個人的信条感情もあるし
客もやって裏もやって表もやってきてそれぞれ仲間がいて
そのおかげ様で隠れた部分への想いも強いので
どこから目線かわからないのは脇に置いて
落語に通って落語会やってる人達も見てきた視点からで大事にしていること、
こんなだと楽しめなくなることなど気になっちゃうともったいない話を。

わかりやすくは書けないので長くなるでしょう(笑)


まず客もやって裏もやって表もやって…な私の脳内は、という話から。

客でいる時は楽しい会なら高座の時間たっぷりは大歓迎
挨拶できるなら会場ロビーに最後まで残りたい人間です。

仕事で劇場にいる時は、自分の感覚より周りがとにかく進行と時間にシビアだ!と思って過ごしています。
自分の持ち場だけでなく関わっている人たちの各々の時間感覚を大事にしている。
時間は金。さすが玄人、プロは違うね、という現場は安心と信頼があります。
そしてお客様は基本的に自由。自然に任せても思う様に動いてくれることはないと思ってます。
だから誘導は必要。みんなに楽しんでほしいという気持ちとともに。

裏方時代を思い出すと、分業して仕事してる連中みんながいかに気持ちよく仕事ができるかが重要でした。職人気質の親方たちが楽しめるか良い仕事したくなる何かが大事。
ざっくり言うと雰囲気づくり。ただ、裏方した場所は劇場ではなかったので時間の概念が違いました。劇場なら裏方はきっと最後まで待つ立場の方々でしょう。
舞台の裏方だけでなく箱の管理をするスーツな人達も。最初から最後まで場を守る人達。

そして最近の客としての心持ち。
コロナ禍と仕事経験を通して今は客でいても会場へ残る自分は諦めて、名残惜しくもまたの機会にと早々帰るようになりました。
少し和やかさは戻ってきたものの、以前に戻せない。
おしゃべりも以前の様にはしなくなって、つきあいが薄くなった方も多いです。
不安になるお客さんはいなかったか、終演して皆さんが帰られたか、
忘れ物はないかと確認する仕事の訓練をプロとして受けてしまった性も大きいです。

そんな中でも有り難いことに楽しい落語会はたくさんあります。
昔は映画も舞台も好きで、共通するところですが、「世俗を忘れて楽しめる」ことです。私が素で楽しめる世界。

ここでこんなうだうだ書くような人間なので、隙あらばネガティブキャンペーンが始まるので「忘れるくらい楽しい」「忘れるほど引き込まれる」をこよなく愛しています。
こちらの価値観を素敵に書き換えてくれる人が推しになります。
でもいくら高座の内容が素晴らしい演者でも世俗が気になりすぎると楽しめない。

演者さんもお客さんも舞台に高座にのめり込める雰囲気は大事で
その環境を作るのが脇を固める人達。
その人達はさりげなくそれをしてくれている。だからこそ有り難い。

普段から会場の人にあれこれ言う人間ではありませんでしたが
なんとなくわかっていたけれど仕事にしてみて、コロナ禍で一変して
場所を作って、貸し出して、運営している人達が居てくれていることには
心から感謝しています。

 

客で行ってのめり込めない、場合によっては演者さんも気になってしまう、集中できないあるあるといえば高座途中での着信音でしょうか。
ビニールや飴を出し入れするカサカサ音は特に客席にいる方が超絶気になります。
客席の形状や前のお客さんの服装や姿勢、背格好や帽子なんかでも
「今日終わった・・・」って気分になることもありますが、
半分ぐらいは行く前の仕事とか空腹とか機嫌とか体調なんかも影響大なので
コンディション半分ともいえるので体調は大事。

 

ここから先は客で行くなら気にならない人は多いでしょうが準備と段取りはすごく大事、の話。

落語好きが高じると落語家さん自ら勉強会をされたり、主催になる方もいると思いますが、大きな会場になる程に関わる人とやることが増える。

まずは誰の会をどこでやりたいのか、出演者と会場の日程調整から諸々の交渉と打合せ、何人出て何席ずつどれぐらいの時間でなんて番組決めるとか、予算配分とか
決まったら情報発信。チラシ作成、どこに置かせてもらう?予約受付は?支払方法は?
お金の管理は誰がやってまとめるのか、出演料の準備もある。物販やるの?当日精算あるの?
当日お金のやりとりが発生するなら顧客リストにチケット準備、文具やつり銭、なんかもあって、案内の貼り紙やら細々したものまで事前からそこそこやることがある。

当日の段取りは借りている会場に入る時間からの準備、開場から開演、終演までのスケジュール、終演後の追い出し片づけを追えて撤収時間まで続きます。だれが全体を仕切って、何人でどういう役割分担でやるのか、だれがどの担当するのか。楽屋にも、お客さんを迎えるロビーにも人が要る。

ここまででも息切れしそうだけれど、自分の親しんだ場所でやるなら気楽だし、少し大きな場所でやるのも好きな落語家さんの会なら頑張れるよね。
そんな気持ちで準備は楽しく進むと思うのですが、とても甘く見積もってしまう所と思われるのが個人的に肝だと思っている当日の開場から開演と終演から最後のお客様を送り出す所なのです。

これは私が仕事にして「甘く見ていた・・・」と心から思ってきたこと。
既に長くなったので一区切り。