直子の探求時間

気になること、落語のまわりなど

落語会の後のミラクル。新版画と落語。うれしい。ぜひ福島「新版画展」へ

今回は先日の落語会後の話ですが、先に福島県立美術館の「新版画展」を勝手に宣伝。

f:id:entsunagi705:20250426214512j:image

3月の中旬、東京ではまもなく桜開花という話題の頃に「新版画寄席」というイベントが福島市福島県立美術館で行われることを知りました。「新版画」と聞けば大好きな川瀬巴水。ポスターを飾るのは大好きな川瀬巴水の《東京十二題 春のあたご山》で歓喜しました。昨年は福島・北塩原村の諸橋近代美術館の「ダリ寄席」で、以前にも弘前で落語にも登場する円山応挙の幽霊画の前で落語を披露した兼好師匠ですが、個人的に好きな新版画に関連するイベント!

展覧会にも、「新版画寄席」にも、行ける方は是非!

THE 新版画  版元・渡邊庄三郎の挑戦
2025年3月22日(土)〜5月25日(日) 
※開館時間、観覧料、休館日、関連イベント詳細は公式サイトをご確認ください
福島県立美術館ホームページ
ブログの最後に紹介動画(YouTube)もあります

福島県立美術館 企画展「THE 新版画  版元・渡邊庄三郎の挑戦」関連イベント
新版画寄席
2025年4月27日(日)
14:00開演 15:30終演予定 ※休憩あり
会場:福島県立美術館講堂

出演 #三遊亭兼好

※申込不要、聴講無料(企画展入場には観覧料が必要です)
※先着順・定員250名

問合せ:福島県立美術館024-531-5511
https://art-museum.fcs.ed.jp

「新版画」は名前こそ現代的に版画としていますが、超絶技巧の浮世絵といっても過言ではありません。画題やインパクトは江戸時代のものとは違いますが、「新版画」を生み出した版元・渡邊庄三郎は「べらぼう」の蔦重同様に、時代を作る浮世絵の再興を考え、川瀬巴水に風景画を勧め、絵師、彫師、摺師をまとめ支援したプロデューサーでもあります。

www.f-kankou.jp

 

話を戻して、先日の落語アフター散策にて。

entsunagi705.hatenablog.com

よみうりホールで圓楽一門会の兼好・萬橘両師匠の二人会。見た。目撃。そして落語仲間とわいわいと会場を出てご機嫌で。その足で銀座のセリアへ。行ったことがないセリアに行ってみたいのと、銀座にセリア!?という好奇心で。お天気も予報より良さそうなので向かいました。実際、イグジットメルサというオシャレなショッピングモールの中で、インバウンド客もたくさん。ラフな格好でウロつく私に銀座は優しくなりました(笑)

f:id:entsunagi705:20250426162020j:image

予報よりお天気も良く、通り通りの街路樹は爽やか色の若葉。もう少し散歩したくなり、思いつきで新版画にゆかりのある「渡邊木版美術画舗」をのぞいてみることに。

f:id:entsunagi705:20250426162013j:image
この奥でお詣りできる。別の通路もあった

途中テレビで見た稲荷神社に立寄ると、すれ違いざまに話しかけられた先輩方に道を聞かれたり調べたりして銀座の店も急激に消えたりしていることを知る。たしかにさっき行ったセリアが入ってるビル、すごく新しかった、とか。

先輩方と別れて目に入った月光荘。めちゃくちゃ久しぶり。狭い店内を少しだけ覗く。なにかと描く時のスケッチブックは昔買った月光荘のだ。街への緊張感は変わった。歳だな。落語会からずっと気持ちが弾み過ぎている。人から話しかけられやすい日にも感る。ちょっと注意。

渡邊木版美術画舗さんに到着すると、入口に「新版画展」のチラシが飾られてる!(嬉

f:id:entsunagi705:20250426162008j:image

入口を入ってすぐの場所に置かれていた福島の「新版画展」のチラシをゲット!(帰宅後に確認したら「新版画寄席」の情報も。師匠のお名前も載ってて歓喜)そこまで考えて行ったわけではないので心中喜ぶ。もう目標達成を超えた。

店内には店主らしき男性と1人2人のお客様。もうお暇してもいいはずが、ちょうど一人また一人と目の前のお客さんが去っていき、ひやかしになってしまうだろうけれど思い切って聞いてみよう、となぜかその日は店の奥に進んだ。

元々画風が好きな川瀬巴水の作品の中で、もし手に入れば飾りたいとぼんやり思っていた作品があった。あったとて買えるわけでなし、飾る場所もなしだけれど。ただのひやかしになるのは迷惑かと聞いたことはなかったけれど、勇気を出してみる。考えなしでたどたどしい。御主人は様子を聞きとった上で「ポストカードならありますよ」とすぐに見せてくれた。

飾りたいと思っていた作品は「安倍川の夕」という地味な作品。中学生時代の原風景とぴったり一致する景色なのだと話すと、ご主人も学生時代に合宿で毎年行っていたという話をしてくださって驚いた。ポストカードが入ったファイルを見ていくと、富士山が描かれているものは何枚もあり、静岡の他のものもあると教えていただいた。

茶摘み娘に富士の山の静岡すぎる一枚には「Shizuoka」と赤文字が入っている。なんとなく「雪庭にサンタクロース」と構図が似ている。御主人によれば、「雪庭にサンタクロース」と同じ雑誌の表紙画として描かれたもので、「Shizuoka」の文字は後からくわえられたのだとか。楽しい。

落語を聴きに亀戸に通ってもなかなか見物にいけない「亀戸の藤」も見つける。増えるばかりで飾らないのでポストカードを買うのも一時は控えていたけれど、さすがにうれしく何枚か購入した。

f:id:entsunagi705:20250426161913j:image
「亀戸の藤」(左)と「安倍川の夕」(中央)「静岡」(右)
桜が終わり旬になった藤と茶摘みも飾った。

その後注意しているはずが、少しだけオタクの気質が出ておしゃべりに。

巴水と六代目三遊亭圓生の話や鏑木清方の話から月岡芳年歌川国芳の話に至り圓朝まで繋がる。先方は落語に詳しいわけではないけれど流石の知識で応えてくださり、反対に巴水の話をいくつか聞かせていただいた。戦前も旅をしていた巴水がスパイと間違われたとか、家族のように交流した初代当主・渡邊庄三郎氏との戦後の交流のことなど話してくださった。お孫さんである三代目の当主から直に聞いたのは後から思うと幸運だった。

「新版画展」に好きな落語家さんが出ると話したら「ぜひ福島へ」と言われ、諦めていたのにちょっと考え直す。やっぱりむずかしい。でも行くなら、東京の美術館より絶対いいんだよね。。結論、今は難しい。断念。

そんなだから、行ける人は飛んで行って欲しい。もちろん師匠の落語もおススメだけれど、川瀬巴水だけじゃない「新版画」がおススメなのだ。

f:id:entsunagi705:20250426162000j:image

これまでお店の人に話しかける程の用といえることがなかったけれど、画家(絵師)と落語家が繋がっているのが面白いと思える数年があって、こんなに話題が続く場所になったとはとしみじみうれしかった。勇気の一線を超えた。ポストカードなら買える。飾れる。季節で飾れるもの、静岡もの、また見に来たい。また来よう(笑)

hangasw.com

ちなみに、冒頭に挙げた《東京十二題 春のあたご山》などは在庫がなさそうでした。有名すぎる作品のポストカードは展覧会で購入する方がよいかもしれません。

 

東京では現在東京国立博物館木版画展覧会が目白押し。「べらぼう」の時代が見れる「特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」と「新版画―世界を魅了する木版画―」、や現代アーティストの浮世絵作品がみれる「浮世絵現代」が揃って開催中。イマーシブシアターでも浮世絵がこれまで考えられない精細かつ巨大な没入空間で見れるらしいですよ。人多いんだろうな。。

東京国立博物館 - 展示・催し物 特別展

イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~
本館 特別5室 2025年3月25日(火) ~ 2025年8月3日(日)

 特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」
平成館 特別展示室 2025年4月22日(火) ~ 2025年6月15日(日)

浮世絵現代 表慶館 2025年4月22日(火) ~ 2025年6月15日(日)

新版画―世界を魅了する木版画―
平成館 企画展示室 2025年4月15日(火) ~ 2025年6月15日(日)

贅沢な会話の中でひとつ気になったことを確認しようと過去ブログを読んでみたら、課題図書の一冊にしていた圓生師匠の本をまだ読んでなかったことに気づく。本も読めてない。読みたいのになぜだろう?それにしてもあの日の偶然に対応してくださったのがご当主で初代と巴水との話まで聞けたのすごい!自分の運を褒めてあげたい。

entsunagi705.hatenablog.com

 

youtu.be