直子の探求時間

気になること、落語のまわりなど

1/18 新春おもしろ落語 in 千寿青葉

先日お誘いいただいた落語会。

以前からあることは知っていた中学校での落語会。でも地域の方向けに長く開催されいている落語会と聞いていたこともあり、無理に調べたりせず、推し活カレンダーにも掲載せず。もちろん行かないまま。様子はとあるブログで読んで少し知っていた程度。

新春おもしろ落語 in 千寿青葉 (2023) : 落語とカメラと散策と
新春おもしろ落語 in 千寿青葉(2024) : 落語とカメラと散策と

このブログ、兼好師匠の情報を集め出した頃からよく読んでいたけれど、実はそうと知らずに親しくなった落語仲間のもの。ご縁は面白い。今回もその繋がりで行けることに。ありがたい。

ブログ主が落語仲間のものと知って後で驚いたけれど、考えてみれば知り合ってから話していた話題はほとんど「師匠のこういうところが良い」という話。その感覚が合致しているからよく話すわけで、ブログ主と知ってからより違和感がない方。会話でもブログでも共感度高い。久しぶりに読んだら、今年の落語会に行ったばかりなで続き物のような面白さ。兼好師匠の落語会の記事も多いので、師匠が好きな方におススメ。

「兼好師匠の好きな所」は落語仲間の皆さんと話すと楽しくて、男女老若男女問わず、皆でそうそう!と手を打つ感じ。毒舌とか辛辣とか言われるマクラも笑いが凌駕してくれて元気出る、だれも言わずにおくことを笑いに変えて代わりに言ってくれるのが師匠の良い所。そこがわかってくださるからなら楽しめると思う。

ちなみにこんなのも発見。高座写真あり。

新春おもしろ落語~家庭教育部|足立区立千寿青葉中学校 開かれた学校づくり協議会
協議会だより No.25

前置きが長くなりました。

 

1/18 新春おもしろ落語 in 千寿青葉

番組:

(ご主催のごあいさつ)
一、黄金の大黒 けろよん
一、大安売り 兼好
  ー仲入りー
一、やかんなめ 兼好

(ご主催から師匠に花束贈呈)

 

ご主催は足立区立千寿青葉中学校 開かれた学校づくり協議会。この落語会を長く続けていらっしゃる方のご挨拶、PTA副会長さんのごあいさつと続き、PTA会長さんから師匠の紹介。

主催の方が「いつでも学校を見に来てください、あちらの副校長がお時間あれば案内してくれるかも」という趣旨の話をされていて、いやそれは今時ないだろうと苦笑い。

学校の生徒さんに伝統芸能を体験してもらいたい、また地域の方に学校へ訪問する機会を作りたいというのがこの会の目的とのこと。先の目的は未達成ですが、との弁は客席を見た通り。あとからご主催の名前を見直すと、開かれた学校づくり。なるほどそういうことか。案内してくれるというのは少し怪しいけれど、地域との交流は学校も協議会も意識されているのかも。

子供がいない世帯としてはもはやセキュリティが厳しくて選挙の投票ぐらいしか入れる気がしない場所になった学校。もしかして地域とのつながりも細くなっているのかもしれない。

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PTA会長さんが「プログラムにも書かれている通り」と発すると客席は一斉にプリント(プログラム)を取り出す。「兼好師匠は好楽師匠に弟子入りを依頼し・・・という言葉がツボにはまってしまい笑いを必死でこらえる。学校らしく、またPTAをされる方も折り目正しくお仕事されている方だと察する。落語を聴き慣れているこちらの方が感覚おかしいんだろうな。正しい日本語なんか知らないけど、些細な言葉のいいまわしには反応してしまう。特にビジネス的に無難な表現って笑って楽しむ場だと少し滑稽に感じてしまう。間違っているわけではないのに。

司会をする主催の方が「では兼好師匠の登場です!」と盛り上げたところに開口一番のけろよんさんが通常通りの登場。学校らしいとかビジネス的とか言ったけど段取りの打合せはなかった模様。フォローしながらけろよんさんが「黄金の大黒」に。

客席は地域の方中心と思われるけれどほとんどが先輩世代。ただ、目の前に1人だけまだ未就学ぐらいの男の子がお母さんと座っていた。

落語が始まるとすぐに男の子が気が逸れて体を動かしたりお母さんに寄り掛かったりし始めた。どうどうとしたけろよんさんの言葉がわからなくてつまらない様子が伝わってくる。ああ、落語って話芸だな、と教えてくれる男の子の残酷な態度。周りの大人が楽しげに笑う程よそ見して寝ようとして、落ち着かなくてお母さんが声をかけている。

私もこうなると気が逸れる。がんばるのか、中座するのか。けろよんさんもお子さんも意識しているように見えるけど落ち着けないお子さんあるあるを覆すことはできなかった。高齢世代と未就学児。間の世代がもっといてくれたらいいのにね、とこころからご主催の趣旨を想いなおす。

ここまで落語の感想でもなんでもなくて申し訳ない。でも落語会や観劇で見かける光景としてよくある。小さい頃からおじいちゃんに連れられていって落ち着いていられる子もいるけど、無理な子だって当たり前なこどもさんだ。

 

兼好師匠 大安売り

この学校での会は娘さんが通っていたことがきっかけで始まり、コロナの間を除いて続いている。もう19回目になる。初めて来た人に手を上げさせて「今まで何をしていたんですか?」で客席大爆笑で始まる。

未来を担う世代から、と前段の男の子に向かって手を振り、そろそろという方までと笑わせる。男の子に向かって、これ1つだけ覚えて帰ればいいから、と桃太郎の小噺を。流れてくるのがお芋で、お婆さんがたべちゃっておならして、山でおじいさんが柴をからずにくさかった。男の子の笑顔が後ろからも見える。つづいてつるの小噺も。恩返しにやってきたはずのつるがいない、それどころか部屋にあったものまでない。つるじゃなくてサギだった。こちらは大人が大ウケ。男の子も笑顔で師匠を見ている。ガッチリつかんでマクラを続ける。笑顔の狙い撃ち。

今年は50年ぶりにお餅を食べなかった話は地元ならではの店名入りで。わかっている皆さん大爆笑。お正月らしさがなくなった話では、昔は正月二十日ぐらいまでは寄席の客席でもお着物姿が見えたものですが、みなさんどうですか?ヤクルト取りに出たみたいな方もね、地元ですから・・・なんて弄られても喜んで笑っている。このやりとり、文字だと本当に伝わらない可笑しみ。

話は相撲に移り、今場所引退表明した照ノ富士の話に。師匠はなんでも横綱に縁がないそうで、国技館で場所がある時は一度は行くようにしているけれど、横綱を生で見れたことがないのだとか。休場していたり、地方の場所で出ていたり優勝したり。今年の初場所も16日に見に行って楽しみにしていたら、前の日まで出ていたのに16日から横綱が休んで引退となったそうだ。半分は暗示をかけている気もする。落語は「大安売り」だ。

昔は「一年を二十日で暮らすよい男」と川柳に詠まれた力士。江戸(東京)と大阪で10日ずづ興行が行われていたものが後にひとつになって15日興行になったそうだ。

兼好師匠の「大安売り」はやはり「親方や~御贔屓衆の~御恩にむくいんがために~」の仕草がずるくて大笑いする一席。お子さんも楽しめそうだけれど、あの男の子も笑ったかと思えばやっぱり横になろうとしたりでお母さんも高座を見ていられない。

でもそこは先ほど自分に手を振ってくれて笑わせてくれたオジサンだと思うからか、時々姿勢を戻して気を向けようとしている。子どもを子どもとして扱うと話を聞いてもらえない、と以前話していた師匠の信条を思い出す。信頼とか集中って些細なことで変わるものだ。

大安売りは鉄板なので大いに楽しんで仲入り。でも「あの男の子よくがんばったな」という記憶の方が強い。男の子に声をかけつつ、お母さんと男の子二人に「途中で抜け出しても大丈夫だからね」と満面の笑顔で言っていた。さて、後半どうするのかな。

 

仲入り

学校は数年前に綺麗に建て替わったらしい。会場内は広いけれどよく空調が効いていて寒い日なのに開演前は暑いぐらいだった。けれどやはり廊下は寒い。お手洗いの列で待つ間、あちこちで師匠の話で盛り上がっている。

「あたし初めてきたんだけど楽しいわね~、これまで何してたんだろうね~」とか「つるじゃなくてサギだって!アハハ!」とか。ご近所のお知り合いも、偶然のお手洗い列で隣り合った人も、寒いといいながらキャッキャしていて聞いているだけでなんだかうれしい。

席にもどってそんな話を落語仲間の男性に話すと、となりの男子トイレにも響いていたよ、と言っていた。まあ、そんな聞こえてくる周りの楽しい様子も落語に行く楽しみだよね。

 

兼好師匠 やかんなめ

明るい色のお着物と袴姿で登場。袴を持っていることを見せる為ですって。

もう数年後には「高齢化社会」は終わるそうです。で、「超高齢化社会」がやってくる。医療は「治す」から「取り換える」時代に入る。ああ、昔は治していたんだねという時代になる。首から下は取り換えできる時代も近い。もう心臓は既に進んでいる。豚の心臓が人間に近くて良いのだそうで、そのために豚を育てるようになる。

豚の心臓というのは人間のように不整脈が無くて良いんだそう。トン、トン、トンというくらいなもんで・・・会場がドッとウケる。ウケすぎて師匠の「ま、噺家がいうことですから」という言葉が笑いでかき消され気味。あの男の子、ここだけ耳に残ったら完全に間違った学習だ、なんて余計なことを考える。いまは小さな子じゃなくても同じような調子で誰がどうして言っているのか考えもせず信じて広めてしまうけどね。

取り換え、代わりになるという話から癪(シャク)の合い薬の話に。まさか「やかんなめ」が二席目だとは。

「癪」の説明が時代劇の一場面再現で楽しい。女性が癪の痛みでうずくまり、助けに入る男がみぞおち辺りをグッと押すとハッと気を取り直すアレ。

合い薬には男のまむし指、男の下帯(褌)などがよく言われたが、独自の合い薬がある人もいて、この女主人はやかんをなめるとすぐに治ったのだそうで、とそんなことがあるのか医師に聞いてみたら「ないことはない」と鉄分的な成分に効果があった可能性を話す師匠。「昔の匙は少しザラッとしていた」のがどんなのか気になった。

やかんなめは女主人が蛇を見て癪を起すので、今年の干支も入っている。女中二人が苦しんでいるおかみさんを心配したり、つるつる頭がやかんにそっくりなお武家さんを見つけて、命がけでお武家さんに合い薬のやかん頭を借りようとする。すったもんだしてついにおかみさんがお武家さんの頭をベロベロ舐めて、気を取り戻してお礼を言う。ひどい目にあったとべたべたの頭に笑いがこみあげてくるお武家さんの頭に歯形がついているところまでほとんどが会話で説明になる所がないので、ずっとわちゃわちゃして話しに静かなところがない。

なぜこんなことを書くかというと、二席目も途中まであの男の子が気になっていたのだ。二席目も親子で最前列に座って、途中飽きそうになりながらも最後まで座っていられた。よくがんばったね。しかも途中から男の子の様子がさほど気にならなくなって楽しめた。

後から思うと、会話の演じ分けで表情も仕草も変化がある話は、さほど意味がわからなくても飽きさせない要素がある気がしたから。もうあの年齢だと「やかん」そのものがわからないかもしれないけれど「べろべろ舐めた」は多少わかりそう。師匠のネタ選びの工夫だったのか、普段からの師匠の仕草や表情のたまものだったかはわからないけれど、一席目でちょっと無理かもと思っていた様子だっただけに、二席目のオチまでゴールできたお子さんの様子で「師匠、勝ちましたね」とも思った次第。

一度高座を降りた師匠が再登場して花束贈呈。師匠のお着物の色に合わせたような黄色い花束。元気になれそう。

出たり入ったりの師匠の目の前にあの男の子がいたので、都度師匠が手を振って気を引いていた。男の子もその都度手を振り返していた。終演後に落語仲間のおひとりが「先が長いお客さんだもんね」と言っていた。まったくその通り。ファーストインパクトは大事。

こんなに小さな時からでなくてもいいから、中学生とか小学生のうちに親子で来てみる人が増えるといいなあ。行きも帰りも明るいあいさつをしてくださる主催スタッフや学校の先生方に触れて落語も楽しんでそんなことを考えた。帰りには地域コミュニティのことを考えたり。良い時間になった。

聞いてみたらこの会も、先日うちの近所であった小学校での落語会と同様に町内の掲示板募集だったらしい。古典的だけど、地域と繋がる落語情報は昔からあって今も続くネットでなく道にある掲示板か。意外と東京だから掲示板かもしれない。

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それにしてもこの落語会のきっかけになった師匠の娘さん達。コロナ禍には公式Xと公式Instagramを立ち上げていた。なんだかんだ師匠のお仕事の縁を繋ぐご家族なんだな。

 

新春おもしろ落語 in 千寿青葉(2025) : 落語とカメラと散策と

冒頭に紹介した落語仲間のブログ主も早速記事を上げてた。書き慣れ方がまるで違って読みやすい。遅筆と脱線はもはや芸風だと思っているけれど、読みやすさは見習いたい。今回は落語の感想というより半分は落語を聴いてる男の子実況だった。

 

entsunagi705.hatenablog.com

 

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