直子の探求時間

気になること、落語のまわりなど

品川歴史館 開館40周年記念特別展「御殿山」

今週末3月8日で終わってしまう開館40周年記念特別展「御殿山」

後期展示を見てきました。

品川区立 品川歴史館 Shinagawa Historical Museum

 

前期から行きたいと思いながら行けず、後期も一度はあきらめ。なんとか入館時間ギリギリすべりこみ。後期は御殿山の名所としての移り変わりを知ることができる展示でした。

開館40周年記念特別展「御殿山」チラシ(PDF)

 

「御殿山」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。江戸時代に興味があれば桜や紅葉の名所の浮世絵を思い浮かべる人は歴史に興味がある人でしょう。八代将軍徳川吉宗公が桜を植えた逸話ぐらいはなんとなく。現代の日本人のお花見好きに繋がる話題です。ですが御殿山のお花見、今はイメージが薄い。そもそも今は「御殿山」という地名がないのです。

縄文時代から人が暮らしていた地なのだそうですが、江戸時代から現代の間でもすっかり姿が変ってしまった場所であり、その間何が起こっていたのかも意外と知らないことばかり。途中で山が削られていったことは浮世絵で見たことがあるぐらいです。

特別展のスペースはさほど広くはありませんが、御殿山で次々起こった変化をテンポ良く、けれどじっくり見ることができました。

 

飛鳥山、墨堤、小金井、中野の桃園、そして品川御殿山は吉宗公の時代に植樹をして整備され、花の名所として庶民に開放されたと説明があり、御殿山を整備した際の植樹の記録や町の地図があったり、有名な肖像画「徳川吉宗像」や歌川広重の浮世絵「東都名所 御殿山の夕桜」なども所狭しと並んでいました。

北区飛鳥山博物館蔵、狩野養信筆の一対の掛軸「飛鳥山・御殿山図」はどちらも桜が咲き花見客が集う花見山。飛鳥山は山越に隅田川、御殿山は山越に品川の海の趣向が印象的。「南浦桜案内(品川大井桜案内)」は手のひらサイズの桜マップで品種と場所が描かれていいて、複製グッズ希望。かわいい。

幕末は黒船が来たことから品川御台場築造のための御殿山は土取りの場となります。また外国公使館の建設が進められたものの後に明治時代を開いた人々により阻止され外国公使館は再建されず、明治時代にはその地が政財界人の邸宅が建てられる地になります。また、鉄道の整備も進められ、八ツ山、御殿山は形を明治に入った後も形を変えていきました。

外国公使館のことは知識がなかったので敷地図などの資料もあることに驚きました。もあり、品川御台場と鉄道敷設に関わる工事に関わった人物(平野弥十郎氏)の詳細な日記「平野父翁昔日語」に書かれた工事の工程に関する記述も見ることができます。この資料は北海道大学からやってきたらしい!現代人でも読める文面でつい読み進めてしまったりしました。

御殿山で暮らした政財界人で茶人・美術収集家としても名高い益田孝が東海寺に寄進した伝鎌倉時代の「釈迦如来像」はコンパクトな展示室の中でド迫力の存在感。吸い込まれそうな半眼のお姿に思わず手を合わせてしまいました。

「日比谷平左衛門邸図面 洋館四方立面図」は先日『新美の巨人たち』で内田有紀さんが訪問していた京都の名建築「大丸ヴィラ」のチューダー様式のよう。2階を木造のロッヂのような装飾したデザインに目を惹かれました。

f:id:entsunagi705:20260306000343j:image

f:id:entsunagi705:20260306000353j:image

展示室中央には御殿山を模した桜と紅葉の高札場が。特別展はここだけは撮影OKと口頭でもパネルでも案内がありました。常設展とルールが少し違うのでご注意を。

高札はさほどめずらしくもない気もしましたが、実サイズで再現されていて、意外と高い。まさに「高」札です。これなら人が集まって見ても読むことが出来そうです。広重の浮世絵の中にも高札が描かれているのを見てから体感すると楽しい。

入口に館長さんの協力先への感謝の言葉、最後に協力先の一覧掲示。北は北海道から都内各地の博物館、企業、個人となんとたくさん。パネル展示も多くありながら、御殿山の歴史を知ることができる良い展示だとは思ったけど、多くの協力先があることに驚きました。地域の歴史を伝える展覧会でさえ、こうやって手間暇かけて協力を得て行われている。有難い。

品川歴史館の強みは常設展。こちらはフラッシュ禁止だけど注意事項守れば写真OK。限られたスペースでの特別展示と脇にある常設展示で御殿山をすぐ復習できて楽しいのです。台場の工事の様子や八ツ山のトンネルと鉄道の模型は繰り返し見ているのに「なるほど、これがこういうことなのか」となる。特別展には展示がなかった時代のことでも、「明治時代の鉄道整備がなかったらモース博士が貝塚見つけることもなかった。。」なんて考えちゃうのです。

残念だったのは慌ててしまって家用の度の弱い眼鏡で行ってしまったこと。細かい日記読めたけど。遠目の資料ぼんやり。悔やしい。

それからなぜ3/8で終わるのか。。御殿山といえば花、桜、だから、桜が咲く時期、終わる時期までやればいいのに。年度越しは難しいのでしょうかね。松も格好良かったですけど。

花咲く時期に花咲く演目見れた歌舞伎のいい思い出などあると、先取りもいいけれど、盛りに重ねるのもいいと思うのですが。暦も昔に比べてずれているのだし。沈丁花の香りは大好きだけど、御殿山は思い浮かばない。。

花見先取り、名所の復習もしておこうと思います。

第1章 花見の名所|本の万華鏡 第9回 江戸の花見~花爛漫~|国立国会図書館

 

品川区立品川歴史館 開館40周年記念特別展「御殿山」

日程:後期 令和8年 2026 1 月 17日土 ~ 3月8日日
開館時間:午前 9 時から午後 5 時(入館は午後 4 時30分まで)
休館日:毎週 月曜日(祝日または休日の場合は開館し、火曜日に休館)、
観覧料:一般 300円 小・中学生 100円
    ※20名以上の団体は2割引
    ※70歳以上の方、障害のある方、品川区立学校・区内在住の小・中学生は無料

品川歴史館
〒140-0014 東京都品川区大井6丁目11-1
電話:03-3777-4060 ファクス:03-3778-2615