直子の探求時間

気になること、落語のまわりなど

川島織物セルコンのオンライン緞帳工場見学

インスタグラムで見つけたオンライン工場見学に参加しました。

初のオンライン工場見学は緞帳!

 
 
 
 
 
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1時間のプログラムにはクイズあり、工場見学をしながら製作に携わる職人さんに質問できる時間あり。進行もスムーズで継承のお話ややりとりの様子からは社内の良い雰囲気も感じ取ることができ、オンラインツールを活用した工場見学の良さも知ることができました。

デザインや設計図となる下絵、糸の染色、織糸の色を作り出す配色、織り、表面完成後の裏地や「火の用心」の取りつけ、搬送のための梱包や納入、完成品の取りつけまで一貫して行われている川島織物セルコンさん。織機のイメージが強い緞帳製作でしたが、あまり想像したことのない「緞帳製作のお仕事」の工程を最初から最後までわかりやすく飽きさせない内容の工場見学でますます緞帳に興味が湧きました。手織りだけでなく機械織りで作る緞帳の製作工程も想像がつかないもので面白かったです。

緞帳製作が行われている京都市左京区の手織工場や川島織物文化館、東京のショールームのことも初めて知りました。工場のリアル見学も行ける機会があったらしてみたい。

ちなみに現在期間限定で手織工場と川島織物文化館のガイドツアーが行われているそうです。また、豊洲の東京ショールームでは大阪・関西万博 迎賓館を彩ったタペストリーを展示中とのこと。東京の展示は観に行けたらと思っています。

【京都ミュージアムロード2026】川島織物セルコン非公開手織り工場+織物文化館ガイドツアー(~3/15まで)

東京ショールームリニューアル記念 大阪・関西万博 迎賓館を彩ったタペストリーを特別展示(12/1~3/31) | 新着情報 | 川島織物セルコン

 

  • 緞帳アルバム

参加後にアンケート回答していて、職人さん達に劇場で緞帳を楽しみにしている気持ちを伝えたい気持ちが湧き感想を書いていたら、これまで何気なく記録していた写真を集めて緞帳アルバムを作ることを思いつきました。

緞帳の写真は落語にハマってすぐではなく気が向いたら撮る程度。ある時期からは初めての場所を撮ってみたり、自分が座った席からとか見え方が面白いとか気分次第ではありますが緞帳を撮ることが多くなった気がします。

集めてみると当たり前ですが落語会に出掛けた会場で緞帳がある場所を記録しているので(寄席は撮れないし)偏ったコレクション。席の位置にもよりますが緞帳だけが写っていることも少なく、劇場の形も含めてデザインや建築物としても面白くて撮っていることを思い出しました。緞帳を開演を待つ間の「劇場の顔」として見たり「客席から見る絵画」の様に「見立て」で見ていることにも気がついたり。そして富士山が多い(笑)有楽町よみうりホールと国立演芸場でそんなに取らなくてもというぐらい撮っていました。

撮影日の記録が確認しやすい画像なのでカレンダーと併せて使うといつの公演だったか辿りやすいアルバムが出来ました。手作業で拾っただけで50枚超え。何年か分と思えば多くありませんが知らぬ間に集めてましたね、緞帳写真。

  • 緞帳をもっと知りたい

今人気の落語家、桂二葉さんが緞帳がお好きなんだそうでお仕事先の緞帳のことをよく書かれているのを知ってSNSを拝見するようになりました。各地の緞帳のテーマなどまで紹介されています。知っている場所でも知らない会場でも、演者さん目線の客席や緞帳が楽しめますし、二葉さんだけでなく西陣織や綴織(つづれおり)という伝統技法はお着物にも繋がるので関心がある方がたくさんいることを知る機会になりました。

二葉さんのつぶやきを見てから工場見学に参加したら、「火の用心」の位置が演者さんのために舞台の中央に配置されている話が出てイメージしやすかったです(笑)

 

私が緞帳に興味を持ったきっかけはやはり国立劇場に携わったご縁です。歌舞伎公演の幕間に緞帳紹介があって、寄贈された会社と製作された会社もアナウンスされていたのをよく覚えています。「川島織物セルコン」のお名前はそこで覚えました。

伝統芸能が上演される劇場の緞帳とあって、歌舞伎や文楽を彩る華やかさや伝統を感じさせる印象のものばかりで大劇場小劇場のどれも好きでした。演芸場は客として行く機会も多い場所だったので華やかさより親しみがありました。その緞帳の前で満席の日もコロナ禍のだれもいない日も業務をする場所として思い返すと、日々たくさんのお客様や劇場に出入りする関係者を見守っている存在にも思え、仕事中の気が張った気持ちを見守ってもらっていたように感じて緞帳を見上げたことも覚えています。舞台と客席との間の結界のように感じたのも覚えています。

  • 緞帳のテーマ

劇場の緞帳は興味があるから記録はするものの、二葉さんのようにテーマを調べたりすることはなかったので、知っているものも含めて記録した物を確認してみました。結論からいうと、詳細がわかる方が少ないです。職人さんは自分の名前を押し出すイメージがないですし、自治体などの公共施設の緞帳は寄贈の形ではないからかもしれません。

      • 大劇場「萌黄小葵浮線綾紋二重織」製作 住江織物株式会社 (写真上段左)
      • 大劇場「四季草花図」製作 住江織物株式会社 (写真上段右)
      • 小劇場「琳派草花図」製作 株式会社川島織物セルコン (写真中段左)
      • 小劇場「二重蔓牡丹唐草」製作 株式会社川島織物セルコン (写真中段中)
      • 小劇場「雲取摺箔唐松模様」製作 住江織物株式会社 (写真中断右)
      • 演芸場「冨嶽三十六景の内 凱風快晴」製作 株式会社川島織物セルコン (写真下段)

『初代国立劇場の記憶』には「初代国立劇場最後の緞帳」と題して、上に書いた緞帳の他にも、大劇場と小劇場の緞帳の寄贈・調整・製作企業のお名前も記録されています。また『初代国立演芸場の公演記録』には最後となった四代目の緞帳の前に使われていた昭和54年の開場から三代、北斎と広重の浮世絵を元に作られたの緞帳が載っています。

自分で撮った写真を見ると、大劇場の草花図と小劇場の草花図で輪郭や色合いの印象が違いました。後から製作された会社が違うことを知って感覚で感じられる特色もあるようで記録しておくのも面白いですね。

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目黒パーシモンホール 西陣織「翠明(すいめい)」
参考:東京都目黒区・めぐろパーシモンホール 館内見学レポート動画 | エンタメターミナル
目黒の土地がタケノコの特産地で竹藪が広がっていたところから竹をモチーフに作られている

伝承ホール (渋谷区総合文化センター大和田)
原画・千住博? 館内の館内アートの中に千住博タペストリーも

  • 横浜にぎわい座 「野毛町ロマン」
    黒船や大道芸、野毛切通など横浜や野毛ゆかりのモチーフが織り込まれた緞帳。(テーマの名前は桂二葉さんのつぶやきで初めて知りました)

その他日本橋社会教育会館は歌川広重東海道五十三次之内「日本橋朝之景」が元になっているのかなとか、月島社会教育会館は佃祭と佃島の盆踊りのイメージなんだろうな、とか土地をこちらなりに想像して楽しんでいる緞帳ももありますね。なぜかあんなに通っている日本橋社会教育会館のが見つかりませんでした。。

月島社会教育会館の緞帳

  • 江戸時代から183年!!

川島織物セルコンさんは京都で1843年(天保14年)に創業されて今年で183年!江戸時代創業の会社だったんですね。呉服商から室内装飾、インテリアと織物や内装材で発展されたてこられた会社。沿革が興味深いです。

沿革|川島織物セルコン

以前から気になっていた「セルコン」は2006年に合併したインテリア企画の会社のお名前とのことでスッキリ解決。双方強みのあったカーテンは合併でトップシェアになったのだとか。呉服から始まった川島織物セルコンさん、劇場を彩る緞帳だけでなく暮らしの中でもお世話になっているのかもしれませんね。

 

今回の工場見学で若手の職人さんからベテランの先輩から指導を受けたり相談しながらお仕事をしているお話が聞けたのがとてもうれしく感じました。巨大な緞帳は私が通うはるか昔からずっとそこにある様な威厳もあり、若い人が携わっているイメージがあまりなかったからかもしれません。1時間という短い時間で緞帳のことから事業のことまで知れる気軽なオンライン工場見学の見せ方も、装飾に長けている会社だけあってお見事でした。

ブログを書くのに川島織物セルコンさんの納入事例を見ていたら、新橋演舞場資生堂の緞帳が目に入ってきました。資生堂のイメージに合っていてその印象にとても見覚えが。新橋演舞場100周年で昨年お披露目となった緞帳「舞」は公開当時にメイキングムービーを見ていました。動画の中では川島織物セルコンさんの製織の場面も織り込まれています。工場見学の前に一度目にしていたとは。資生堂も美にこだわりがあって、製作の「舞」のコンセプトから完成、そして緞帳の姿から舞台での舞まで一体感のある動画まで贈り手の心意気も伝わる素敵な動画です。

新橋演舞場 | 納入事例 | 川島織物セルコン

youtu.be

 

落語で出かける劇場は自治体関連の施設もあるので新橋演舞場のような動画まで作って欲しいとはいいませんが、文化施設の緞帳は美術品のひとつとして作られたテーマが無くてもある情報が簡単に調べられるといいな。

それにしてもオンライン工場見学が楽しかったからか、見学後も緞帳をしばらく楽しみました。