横浜にぎわい座へ行ってきました。今回は兼好師匠の独演会。
「三遊亭兼好 横浜ひとり会」です。

直後の感想はまいどのポストにて
にぎわい座で三遊亭兼好横浜ひとり会。
— 直子 (@Entsunagi705) 2024年7月13日
師匠にかわいがられてる好志朗さん野ざらしで楽しく。
兼好師匠はいろは謎かけ講釈お見事でサメモメ賑やかな兵庫舟と暑苦しいマクラから青菜!氷も芸にして客席も笑いが多くて気分良い週末。
次回は写真撮り損ねたけど9月4日のかい枝兼好の東西二人会も楽しみ♪ pic.twitter.com/tCPoBYytqx

遅刻しましてね、げんきさんはロビーのモニターにて。
前座さんが噺を教わる順番なんて最初以外は決まってないのかしれませんが、もう黄金の大黒やっているのか~と拝見しながら身支度。大きなモニターがある会場はこれができるので助かります。それにしても独演会に遅れてしまう、師匠を聴き逃す位今日はダメな日か!と思ってもなぜだか間に合う運には感謝しかない。
好志朗さんの高座は久しぶり。さがみはらの選手権で賞を取られてからホールでは初かもしれない。
一門にいるたくさんの二ツ目の中で兼好師匠に可愛がられている、と入る好志朗さん。横浜のお客さんは知っている。この会はここしばらく一門の二ツ目が来ているよ。
その中でもあまりいない同世代の二ツ目さんだからか、やはり師匠に可愛がられているからなのか、くすぐりが楽しい。以前と雰囲気が変わった気がする。
畳み掛ける笑いがちょっとだけ師匠のスタイルに似てると思った野ざらし、途中子どもさんの笑い声を拾ってどっとウケていた。後半は1.5か倍速に見える早い展開で回向の前で短くサゲ。可愛がられる骨(コツ)のタイパか?
タイパに驚いたのは兼好師匠も同じだったらしい。おかげさまかマクラたっぷり。
都知事選や米大統領の話題、落語協会会長の話、市馬師匠の今後の抱負など。
同世代師匠の提案マクラはいちいち賛成してしまうのだけれど、今は70代でもご隠居という生き方ができる人は少ない。そう呼ばれたくない人も多そうだ。政治も芸人も人気商売という意味では同じなので、師匠が予定通りに引退して、後輩のアドバイザーして表に出なくなったらまだまだやってくださいよと言ってしまいそうだなあと思う。バイデン大統領にしろ小池都知事にしろ、仕事柄褒める人は多くないけどこの4年の舵取りには頭が下がる。
水の事故気をつけてくださいね、実は大半は泳げる人が遭うらしいですよ、泳げない人の件数は少ないらしいと師匠の「調べたんですけど」シリーズ発動。
師匠が調べているテーマが面白い。そしてどこまでが本当かわからない。わからないまま聞いていると面白いにぶつかる。
今日来ているみなさんも気をつけてくださいね、と客席で寝る人の割合も落語が好きな人、よく聞く人が大半で、連れてこられたとか好きでもない人はそう寝ない、と始めたベテラン落語客が寝てしまう様が爆笑。そういう人いるいる!が本当にツボ突いてきて気持ちよく笑える。
子どもの頃の川遊びの話は水の流れを思い出した。実際夏に川遊びで流されて、父に助けてもらったことがある。記憶は曖昧だけれど、水の流れに層があって流されていることに気づくのが遅れた。
泳げることで判断が遅れた。緩やかな流れの途中。水を飲んだのか助けられた瞬間は覚えていない。溺れながら見た山の緑も半分水中が見えた川も綺麗だった。大勢で行って大人の目が届く中でよかった。父を思い出したり、流されている時を思い出して師匠の話によくうなずいた。
最近甘いものを食べるようになったと伊勢名物赤福の美味しさを嬉々として話す師匠。「名物にうまいものなし」という話かと思いきや、ずっと褒め称えてかつての偽装はやりかたがよくなかったと「後期赤福」ブランドを提案。砂糖を使うこと自体が保存の技術だけど前があるからさすがにできないと思う。
うまいものも海のもの、生もの、足が早いものとなると昔はやはり海近くでしか使えないと動物に詳しい猫八先生に聞いたサメの話。これは鮫講釈と見た。けどまた兵庫船と書かれちゃうんだろうな、とある時期から鮫講釈と書かれなくなったことをちょっと残念に思いながら、サメマクラを聴く。
海から揚げたばかりのサメを高座をまな板に見立てて、新鮮なうちにバタバタ庖丁の背で叩き、蒲鉾をふっくら仕上げるサメの肉が出来上がって旅の話に。
江戸っ子の二人旅はお伊勢さんから京大阪、四国の金毘羅様に回って兵庫へ戻る。そこから船で大阪に一気に行けるぞ、と始まる。「兵庫舟」だ。
旅の江戸っ子達の言葉、船頭の言葉、乗り合わせた人の西の言葉が船内に混ざる。
船に乗り合わせた人らで始める謎かけが、いろはにほへと上手く続いて楽しい。
生け贄に選ばれた講釈師が最後にせっかく覚えたので聴いてほしいと始める講釈。
師匠は張扇代わりに膝に扇子で拍子を取る
張扇に似た良い音をさせるわけでもない仕草と講釈に客席がひきこまれる
正直なところ講釈の文句は半分もわからないのに絶妙に「時代が違う人が出てくる」のはわかって、妲己のお百に小野小町が並んで出たところでケラケラ笑うとバタバタバタッと拍子を張って
「赤穂義士がひとりも出てこない~!」
お見事と拍手をしながらマクラで聴いた猫八先生のサメ知識と大きなまな板でバタバタされたサメの肉が思い浮かんだところでサメ達の騒ぎが聞えてくる。
サメキャラには親分サメの他にシュモクザメもノコギリザメもいて演じ分けが忙しなくて楽しくサゲ。緞帳が下がる間も余韻で拍手。
以前なら講釈の張扇は鳴った方がそれらしいと思っていたけど、バタバタまでの助走だと思うと客が聴き入る静けさがさすがに感じてうれしい気分で仲入りに。
オリンピックが始まってバレーボールやバスケットの盛り上がりを知ったという話題から、背が高くて格好いい選手たちも、日常横に居たらそんなに良くもないでしょ?という自分の柄(体つき)が小さいことを気にする師匠のぼやき。これはフリだ(笑)
ライバル心を燃やして挙げる例が「電車で前に居たら壁になる」「車に乗ったら頭が付き出る」と漫画的。師匠一家は家族で家にいても暑苦しくないけど、友達のスポーツ一家の家に遊びに行ったら隙間に座らされて暑苦しいのなんの!から「植木屋さん、」と青菜に入る。暑いのフリ、確かに暑苦しい。
仲入り前から笑いの多い客席はどよめく。暑いといえばの青菜がキタ!の盛り上がり。
前半お屋敷での時間は涼しげで上品。鯉の洗いに敷いた氷の貴重さは、今の暮らしがより暑い日々になってわかったりする。柳蔭のコップは先日末広亭で見た南玉先生のびいどろか風鈴のような涼しげな独楽を思い出した。あの独楽、硝子に見えてグラスでも素敵だろうと思ったんだよな。
後半は長屋の暑さに浴衣一枚で腰巻なんてしてられないから夏は旦那の褌に限ると言い切るおかみさんが登場。近所の子たちに「大の里のおばさん」と呼ばれてる。爆笑。
日に当たった寿司屋の湯呑に入るちょうど気持ち悪いぬる酒とまだ焼き立ての鰯。
「奥や」の手に押し入れから出てくるおかみさん。暑い。けっきょく乗せられてるおかみさん、もう一回押し入れに入る。暑い。
青菜は演じる人の柄の大きさとか体格には関係なく、暑さを感じたり涼しくなれたりできる暑い時期に聴きたい噺。今年は横浜の大らかな客席で最初に聴けて良い時間になった。

演題脇を見て9月の楽しみを思い出す。こちらも恒例の二人会「西のかい枝 東の兼好」だ。横浜にぎわい座は兼好師匠が見れる会が定期的にあってうれしい。
8月にも四派の会があり、10月にも「ハマっ子気質 名作落語の夕べ」に出演予定。にぎわい座さん主催以外にも独演会や親子会が予定されている。
2階には歌丸師匠がパネルでお迎えしてくれていて、無料でのぞける展示や休憩スペースもあるので、まだ演芸や寄席に不慣れでも、ちょっと涼みにいかがでしょうか。
月に落語にどれぐらい行っているか、帰り一緒になった方に聞いてみたが、多かろうが少なかろうが自分が楽しいペースが良いと思った。あんなに楽しくても後に横になる今も、月の半分嬉々として落語会へ行っていた時も、行きたいから行ってるのだ。
野暮な質問も自分を確認するためだったなあと横になる。週末は1日楽しく1日は完全休息だった。来週もなんとか算段をつけて推し活に行こうとしている。大丈夫だろうか?てるてる坊主が必要な位、予想がつかない自分が笑える。